心を整理する

カウンセリングの初日に状況を伺い、ご相談者さまとしてはどうしたいのかを尋ねました。

ご相談者さまの真意は離れて暮らすとまた骨折したりするため同居を続けたいという思いが強くありました。しかし、それがもはや可能ではないことも理解しているご様子でした。

何をすればよいのか分からないことや、自分と同じようなケースがあるのではないかと思いカウンセリングを受けに来たこともわかりました。

同様のケースはありました。

そこでショートステイを使ったケースを説明しました。これはカウンセラーとしてではなく介護に携わってきた私が経験した体験談からのアドバイスとなります。

一時的にせよぶつかってしまったお二人を物理的に話すことで考える時間を作り出すことができます。

カウンセリングではカウンセラーが明確な指示を出すことはしません。しかし、今回のケースでは状況が八方ふさがりになってしまっていることがストレスを誘発していることが明白でした。

そこで過去の事例を説明することでご相談者様の状況を変えることが必要だと判断し、アドバイスを行いました。

これは介護に特化したカウンセリングならではの手法です。

ご相談者さまは早速、1週間のショートステイを予約しお母さまにショートステイで過ごされることを提案しました。
最初こそ、施設に入れられることに恐怖感を訴えていたお母さまですが娘さんが泣きながら訴えていることを伝えると渋々、了承したとのことです。

お母さまが1週間のショートステイに出かけると娘さんは明るさを取り戻しつつもご相談者様に対して、

「実家が危ないというのであればこのまま施設にお願いすることはできないの?」

と、言ってきたのです。それまで施設に入れることに罪悪感を感じていたご相談者さまですが娘さんから真剣なまなざしで訴えられたことにより施設への入居を考えるようになりました。

しかしカウンセリングでは罪悪感がよぎることや、施設で本当に良いのか、どうすればよいのか分からない、といった発言が繰り返されました。

そこで日本ではこの20年で介護に関する考え方が変わってきていることを説明しました。介護カウンセリング独特のアプローチですが、カウンセラーとして心の整理を促すために必要であるとの判断からでした。

このアドバイスは一定の効果を生みました。

それまで実家暮らしの危険性か、同居でのトラブルの間でなんとか解決策を模索していたご相談者さまですが介護施設の利用という選択肢が出たのです。

これによりご相談者さまに少しだけ心の整理が生まれました。

【経堂】子供が母親との同居を嫌がっている、その訳とは

介護施設を利用しながらバランスを取る

ショートステイから戻られたお母さまは、制約が多い施設に対して不信感を持っていました。

それまで自由にできたことが全て制約されてしまったことで自由が奪われてしまったと感じてしまったようでした。しかしながら、そこで知り合った同年代の女性と仲良くなるといった一面もあるため施設に対して完全拒否というスタンスではなかったことが幸いでした。

何度目かのカウンセリングで、

「介護施設を上手に使いたいのですがどうすればよいでしょうか」

と、質問されたので介護のプロとしてのアドバイスを行いました。

ご相談者さまはデイサービスを使うことを選択されました。また、娘さんからお風呂などに排泄物があることを受けて、入浴サービスを使うことを検討していました。

入浴サービスの利用には条件として要介護認定を受けている必要があります。(要支援でも条件付きで受けられますが今回のケースでは該当しません)

そこで要介護の認定を受けるための手続きに入りました。ヒアリングしている限りでは、お母さまは要介護1と判断されるのではないかと想定しておりましたが予想通り要介護1の認定が出たことにより、入浴サービスを利用する条件をクリアしました。

娘さんは入浴サービスを利用することで気持ちが穏やかになり以前のように感情を爆発させることが無くなりました。

お母さまもショートステイでは自由が無く窮屈を感じていましたがデイサービスを利用することについては拒否しませんでした。

入浴サービスとデイサービスを使うことで家族がまとまり始めたのです。

娘さんとお母さまの間あった溝を介護サービスが埋めた格好になりました。

これによりどうすればよいか分からない、という八方ふさがり状態であったご相談者さまのストレスが解消されてきました。

介護サービスを使うことでご相談者さまの懸念が解消されたこと、同時にご相談者さまのストレスも解消されたことがわかりましたのでカウンセリングを終了といたしました。

【経堂の関連事例】
経堂で転居先の老人ホームを検討されている相談事例があります。現在入居中の施設から移りたいというご家族さまの本音などを知ることが出来ます。
詳しくは、「サ高住から移りたい家族の本音とは」にて公開中です。

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