経堂のご自宅に同居して2か月で拒絶反応

カウンセリングのご予約が入りました。

ご相談者さまは東京都は世田谷区の経堂にお住いの40代の主婦さまからでした。

現在、お母さまと同居しているのですが、娘さんが同居を嫌がってしまいどうすればよいか分からないとのお悩みを抱えておられました。

お父さまが亡くなったあとも祖師谷のご実家で独居生活していたお母さまでしたが骨折して救急搬送されてからすっかり弱気になってしまい同居を相談したところ快諾。

すぐに同居がスタートしました。

認知は無く、足腰が弱ってはいますが日常生活に大きな支障はありませんでした。

介護が必要ということもないため同居は円満にスタートするはずでした。

ところが同居生活が始まって2か月経つと、娘さんから同居を嫌がる発言が出てしまったのです。

娘さんに訳を聞いても、

「嫌なものは嫌。それだけ。なんとかして。施設いれるとか。」

と、明確な理由もなく同居を嫌がるだけでした。お母さまに何か思い当たることは無いか尋ねてみても、

「わたしは何もしていない。分からない。」

と、困惑するばかり。それでも何とか同居生活は続けたいご相談者さまは一生懸命に娘さんに理解を求める努力をされていました。

そしてある日、娘さんが本音を言ったことに衝撃を受けてしまいました。

生活が変わってしまったことへの拒絶感

娘さんがご相談者さまに話された内容それは、

・お風呂に排泄物が浮いていた
・トイレで排泄物がはみ出していた
・なんか家全体が臭い気がする

といったものでした。娘さんは現在19歳で大学生です。大学を卒業するまでは自宅で生活すると考えておりご両親もそれまではと子育てを頑張っています。

思春期の娘さんから、拒否の理由を聞かされたご相談者さまはすぐにお母さまに確認を取りました。すると、

「私は知らない、そんなことしていない。ボケてなんかいない」

と、激怒してしまいました。

ご相談者さまが実体験をした訳ではなく、あくまでも双方の意見であるため何が正解か分からないこともストレスにつながりました。

しかし事態はさらに悪化してしまいます。

娘さんがある日、お風呂から飛び出してきたのです。そして、ご相談者さまに、

「見てよ!またしてるんだけど、もうこのお風呂入れない。何とかしてよ、ほんとに」

と半狂乱になってしまったのです。いわれるがままにお風呂場に行くと確かに排泄物がありました。

すぐに処理をしようとしましたが素手で触るわけにもいかず、コンビニの袋でつかみゴミ箱に捨てました。

お風呂はお湯を抜き、きれいに清掃してお湯を張りましたが、娘さんはそんなお風呂にはもう入れないと、部屋に閉じこもってしまいました。

お母さまにその旨を話すと、

「わたしだって高齢になってきてるんだからそれくらいあるし、大騒ぎすることでもないでしょ」

と、逆ギレしてしまいます。

ご相談者さまはそんなお母さまに対して、

「ウチに同居している以上、最低限のマナーは守ってほしい。排泄を我慢できないならオムツをするなり対処してほしい」

とお願いをするとお母さまは、

「自分の母親にオムツしろとはどういうことだ。」

とさらに怒ってしまいました。

それ以降、娘さんはお母さまと顔を合わせることを嫌うようになってしまい、お母さまも娘さんがうるさいといって毛嫌いするようになってしまいました。

それまでなんとか夕食は一緒にしていましたが、これを境に食事は時間差になってしまいご相談者さまの家事は増えるばかりでした。

ご主人さまにこのことを相談すると、

「たしかに排泄物がお風呂にあったらいやだな。娘があまりにも騒ぐようなら同居を止めなければならないかもしれないね。」

と、同居の解消をほのめかすような発言をし始めていました。ご相談者さまとしては祖師谷のご実家に戻られた後、何かあったら大変だという思いがあるため同居の解消には消極的でした。
※排泄が原因で在宅介護が限界になり老人ホームへの入居を決断された相談事例もございます。詳しくは「排泄ミスにより息子が同居拒否」にてご紹介しております。

しかし、娘さんとお母さまの間にできた溝は埋まることが無く日々の生活は閑散となってしまいました。

そんな時にさらにショックな出来事が発生してしまいます。

娘さんの友達が来た時に

大学の課題があるため娘さんの友達が泊りに来ました。その際、友達がお風呂に入るとやはり、排泄物があったそうなのです。

娘さんは激怒してお母さまの部屋に行き、なんてことをしてくれたんだ!とまくし立てます。そしてご相談者さまのところにきて、涙ながらに同居を解消してほしい、とお願いしてきたのです。

これまで怒るという行為はあったのですがその時、娘さんが泣いている姿を見てご相談者さまはこれ以上同居が維持できないことを察しました。

その場はなんとか取り繕いはしましたが、娘さんは友達に申し訳ないと消沈し、お母さまは部屋から出てきません。

ご主人さまが帰宅し、出来事を話すと、

「これ以上は難しいんじゃないかな。家のことは君に任せているとはいえこれ以上、君一人に押し付けるわけにもいかないから俺がお義母さんと話してみる」

とお母さんの部屋に行きました。

1時間ほど話し合った結果、お母さまは同居は続けたいけども娘さんとソリが合わないことも理解している。排泄については我慢できる時とできない時があるのでどうしようもない。それが娘さんを困らせていることは分かるがなんとか理解してもらいたい、と胸の内を話されたそうです。

しかしこのままでは娘さんにとってもお母さまにとっても同居が苦痛でしかありません。かといって、解決策があるわけでもありませんでした。

そんな状況でカウンセリングに来られたのです。

次ページよりカウンセリング内容について触れてまいります。