スピーチロックは虐待の一種

カウンセリングでヒアリングをして感じたのは、ご主人さまが本能的にスピーチロックを行っている点でした。

スピーチロックとは発言によって相手を身体的もしくは精神的に行動制限させることを意味します。

スピーチロックは言葉の拘束ともいわれ介護業界では虐待の一つとして考えられています。

確かに、効果的ではあるのですが相手が委縮してしまい相手の行動意欲を失わせてしまいます。それに伴いADL(日常生活動作)が低下してしまい認知症を悪化させてしまうことにつながります。

ご相談者さまがやりすぎではないのかと懸念されていることは間違っていないのです。介護施設では近年、スピーチロックは身体的拘束と同じく虐待の位置づけとして絶対に行ってはならない行動制限方法となっています。

カウンセラーとしてまず、ご主人が行っている対応がスピーチロックであること、それによるマイナス要因についてご説明いたしました。

これは介護カウンセリングとして知識の共有となります。

ご相談者さまはそのような言葉があること、自分の感情が間違っていなかったことを確信したことでストレスの緩和につながりました。

しかし、抜本的な解決にはなりません。

解決策として考えなければならないことがいくつかあります。

・ご主人さまにスピーチロックを理解し対応を改めてもらう
・ご主人さまがストレスと感じている生活の改善

この2つが課題となりました。

【上町】やりすぎではないかと思っているがどうすればよいか分からない

上町のショートステイや訪問介護の活用

ご相談者さまの「ご主人のお義母さまへの接し方がやりすぎではないのか」という悩みについては解決されました。

しかし、そこでカウンセリングは終了ではありません。

ご主人さまがどうしてそうなってしまったのかの深堀りと今後、どうやってこの問題をクリアして日常を取り戻すかを考えなければなりません。

カウンセリングは第二フェイズに入ります。

ここからは介護カウンセリングとして解決策に必要な情報の提供がメインとなります。

まず、ご主人さまの考えを改めていただくために何をすれば良いのか?について考えました。

これについては介護サービスの利用が適切であるとご説明しました。

費用は掛かりますが、介護サービスを利用することで、ご家族さまへの負担が軽減できます。

ご主人は日々の繰り返しにイライラを募らせていますから、ショートステイを利用するなどしてお義母さまと一緒ではない時間を作ることで考える時間を作ることを提案しました。

また、お義母さまとご主人さまが一緒の空間にいる曜日などに訪問介護サービスを利用することでご主人さまにかかる負担を軽減することも提案しました。

介護サービスに関する情報をアドバイスし、丁寧に説明することでご相談者様の中に「やるべきこと」が明確化されました。

今回のケースではここで予定外な行動が追加となりました。

カウンセリングにご主人さまが同席することになったのです。

ご相談者さまがカウンセリングの報告をしていたところ、ご主人さまが興味を持たれてご自身も参加すると言われたそうです。

お二人でのカウンセリングになり、ご主人さまのヒアリングを行いました。認知症に慣れていないことから、コミュニケーションが円滑にならないことがストレスの原因となっていました。

それはご主人さまも気づかれており、わかっていても状況によって爆発してしまうことがあると仰っていました。

そこで、「自由な時間」の概念をご説明しました。介護サービスを利用することでご主人さまが自由な時間を持ち、同居で感じるストレスを軽減することが出来ます。

顔を合わせるだけでストレスになっているようであればショートステイを活用することもご説明いたしました。

すると、ご主人さまの中で何かしらのひらめきがあるように感じました。

カウンセリングの終わりに、

「介護サービスに関する説明は理解しました。訪問介護というサービスについて試してみたいのですが」

というご相談をいただいたのです。

そこで、訪問介護のシステムや費用について説明し、訪問介護施設の調べ方などをレクチャーしました。

後日のカウンセリングで訪問介護サービスの利用が行われたことがわかりました。そして、訪問介護によりご主人さまがストレスを感じることなく日中を穏やかに過ごすことが出来ることがわかってきたのです。

訪問介護を使うことで一定の効果が上がったことが確認できました。

しばらくはお二人でのカウンセリングを行いました。

時系列でカウンセリングを取りまとめてみると、ご主人さまの発言からストレスが軽減されてきたことがハッキリと分かりました。

ご主人さまにスピーチロックのお話をしてからはご主人さまもそれが虐待の一種であるとご理解され大声を出すことはなくなったそうです。

排泄問題や徘徊といった問題は未だに解決されてはいませんが、施設に預けるのではなくできる限り在宅介護で頑張りたいというお二人の強い意志をに必要な介護知識についてレクチャーするカウンセリングが続きました。

数回のカウンセリングにより、問題点の洗い出し、何をどうすればよいのかをご自身で考えることが出来るようになりました。

ここまでくれば要因がストレスになることはありません。

そこで、今事例に関してのカウンセリングを終了といたしました。

※上町で老人ホームをご検討しているケースもございます。老人ホーム入居に関する相談事例については「【上町】独居願望が強い母親に対してショートステイを使った老人ホーム選び」をご確認ください。

※追記※

カウンセリングは終了となりましたが、ご主人さまからは定期的に介護サービスに関するお問合せをいただいております。

また、お義母様との接し方について悩まれている時などには、カウンセリングのご予約が入ります。

ストレスになりそうだと感じるとカウンセリングを受けられていることから、介護カウンセリングを上手に使われていると感じました。

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