悩みから行動へ
心の整理ができてきた後はこれからの組み立てが始まります。
介護者を取り巻く環境は決して優しいものではありません。
しかし、道はあります。
今の状況を打破するためにするべきことをしっかりと見定めることが大切でした。
まず、理解です。
今抱えている問題があくまでもその会社の問題であり、介護全体の問題ではないと言うことを理解することが大切です。
そして、現状打破を考えるのか、転職するのかの選択です。
カウンセリングを通してご相談者さまが今の職場を本当に好きであることがわかりました。できることならば今の職場でしっかりと仕事の評価をしてもらいたい、というのが本音でした。
しかし、介護施設の運営者にそれを求めるのは難しいことも理解していました。
人生の転機にもなることですから早急な結論は危険です。
ご相談者さまはまず残業について上司に相談することを選択されました。そして上司の回答から次に何をすべきかを考えるようになっていました。
そこに迷いはありません。
大きなストレスから職場に行くことが嫌になってしまっていた状況から大きく好転しました。
そして上司に報告すると言われたその日の夜にカウンセリングの予約が入りました。
転職という選択肢
その夜、ご相談者さまが来談カウンセリングに来られ気持ちを整理しながらのヒアリングが始まりました。
会社はしっかりと働いた分を請求するならば残業としてカウントしてくれる、と言ってくれるが実態はサービス残業が横行しており、そのことに言及すると介護業界の状況を理解してほしい、と言われたそうです。
その発言を受けてご相談者さまはこの職場で続けることは難しいと判断されました。
ご相談者さまは施設入居者さまに寄り添える介護士を目指して頑張ってきました。それは「仕事」としてのプライドです。ボランティアではないのです。
ご相談者さまは仕事である以上、サービスに対する対価は妥当でなければならないと考えており今の施設ではそれを求めるのが難しいという結論に達したのです。
それからは職を続けながら転職先の施設選びをする日々になりました。
しかしながら方向性が見えてきたことで心の疲れは無くなりやるべきことに集中できるようになっていました。
カウンセリングでも変化がハッキリと感じられ、心の疲れは取れてきていることがわかりましたのでカウンセリングを終了といたしました。
【追記】カウンセリングが終了してから3か月ほど経ち、ご相談者さまからカウンセリング予約が入りました。転職活動の結果、今月から新しい施設で働くことになったと報告をいただきました。
そこは介護士の労働条件を真摯に考えている会社であること、面接でしっかりと自分の思いを伝えたところ施設長が受け止めてくれたことなどから自信をもって働ける職場です、と明るい報告をいただきました。
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