二子玉川の相談室で傾聴と対策
二子玉川相談室での来談初日は現況把握のヒアリングを行いました。
そこで分かったことは前述したように身体のバランスが崩れてしまったこと、夜勤の仕事に対して十分なレクチャーがなくプレッシャーになっていることでした。
◆分かったこと◆
・夜勤シフトにより身体のリズムが崩れてしまった
・十分なレクチャーがなくプレッシャーがある
ここから傾聴が始まります。
まず、夜勤での出来事や自分が不安に思っていることなどを話していただきました。
すると、夜勤における仕事を覚える前にレクチャーが終了してしまい、教わっていない事案が発生したときにパニックになってしまうことへの恐怖感が浮き彫りになりました。
特に利用者さまの状態が急変したときなどの連絡形態や、どこまでが介護士の対応範疇なのかをしっかりと教わっていないことがパニックの要因でした。
知らないことへの恐怖感が意識下で働いたことがストレスの原因でした。
こうした点を丁寧に書き出すことで恐怖感を克服するようなプログラムを組むことにしました。
プログラムは指導マニュアルではありません。ご相談者さまが自発的に何をすべきか気づきを得るためにどうすればよいかをまとめたものであり、ご相談者さまに開示することはありません。
ご相談者さまはご自身で以下の対策を立てられました。
すでにレクチャーは終了していますが知識不足による夜勤の危険性について上長に相談して再レクチャーを依頼。
分からない点をリスト化して渡すことで効率的な再レクチャーができたそうです。
これにより夜勤に対する恐怖感が克服され精神的に辛い状況は回避できました。
また、連絡先や介護士の対応範囲を改めて教えてもらうことにより責任範疇に関する指標を理解できたことも仕事の境界線が見えることにつながり精神的な疲れは解消の方向に向かいました。
次に、身体のバランスになりますがこちらはお医者さまとよく話し合うことで対策を立てるようになりました。
強い睡眠導入剤は対処療法にしかならず抜本的な解決になりません。
そこで、夜勤明けの過ごし方などを工夫することで身体のバランスを整えるようになりました。
これまでは帰宅後すぐにお風呂に入りリラックスして眠るようにしていたのですが夜まで寝てしまうと、明け方まで眠ることが出来なくなり夜勤明けのお休みの日に何もできず生活をリフレッシュすることができないという悪循環になってしまっていたのです。
そこで夜勤明けの睡眠を少し短くして日中でも行動できる範囲(いろいろ工夫され採取的には午後2時に起床するのが良いとわかった)に起床することで生活リズムを崩さないように保つことが出来ることがわかってきました。
睡眠導入剤を常に飲むのではなく本当に眠れない時にだけ服用するようにしたことで耐性が付くのを防ぐようにもしました。
これらは全てご相談者さまがカウンセリング行っていく中で自発的に取り決めました。
カウンセラーはご相談者さまのお話をまとめてレポート化するだけです。
レポート化した内容をご相談者さまが振り返りどうすればよいか、を見つけられるお手伝いをするのが介護専門カウンセリングの大きな特徴です。
カウンセリングの終了
カウンセリング開始からご自身の中で夜勤との向き合い方、実行と効果が見えるまでにおおよそ3か月ほどかかりました。
その間、2週間に一度のペースで来談カウンセリングを行いました。気分転換から二子玉川相談室ではなく渋谷、恵比寿など環境を意図的に変えての来談も行いました。
当カウンセリングでは首都圏の主要箇所に来談用カウンセリング室を持っていますが、環境を変えることが大きなカウンセリング効果を持つことを過去の体験から知っているからです。
夜勤明けなどにご予約を入れられるケースが多く、その日に起こったことを忘れないうちに話をすることで精神的な疲れを解消するようにしました。
3か月ほど経過した段階で夜勤仕事にも慣れ、なんとかご自身で納得できる仕事になってきたことで精神的な疲れは解消されました。
また、生活リズムの再構築がうまく機能したことで身体的な疲労も解消されたことが確認できたのでカウンセリングを終了といたしました。
今でも疲れが見えると単発的にご予約が入りますが、以前ほどネガティブな発言ばかりではなく、ご自身で話すことで頭の中を整理する目的でカウンセリングをご利用されています。
今回のケースではカウンセリングがうまく機能し仕事に対する不安や身体のバランスを保つことが出来ましたが、ご自身の中だけで改善されないケースも存在します。
それはまた別の機会でご説明しますが、同じように夜勤がきついと思われている介護士さまでは夜勤を止めて日勤帯のみのシフトに変更するなどにより辞めることなく状況を改善したケースも多々あります。
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