在宅介護の限界の裏にある寂しさ
今回のケースではカウンセリングというよりも今後の介護方針というところがメインになっています。
お父さまはできる限り在宅介護を続けたいという考えを持たれていたので、カウンセラーとして過去の類似ケースについてお話をさせていただきました。
ご夫婦で介助している場合、類似ケースはたくさんあります。そうした過去事例を踏まえてお父さまがどうしたいのかを導くプログラムを作るのもカウンセリングの一つです。
お父さまは他にも同様のケースがあることに理解をしつつ、ケースのほぼすべてが施設への入居という選択であることに驚きませんでした。
お父さま自身がその結論をすでに考えていたからだと分析しました。
ただ実際に施設入居を選択することには躊躇しているように見受けられました。
カウンセリングは必ずお父さまと息子さまのお二人で来られていたのですがある時、息子さまがお父さまに対して、
「おやじはよくやってるよ。でもおやじが疲れていくのを見るのは俺としても辛い。このままではおやじが介護疲れで倒れないか、鬱病にならないか心配だ。おふくろの介護を続けたい気持ちはわかるけど施設に入ってもらうことも真剣に考えてみてほしい」
と、仰りました。お父さまは黙って耳を傾けていました。
砧から近い介護付き有料老人ホームへの入居
数日後に息子さまからカウンセリングのご予約電話がかかりました。
当日、お父さまと息子さまが来訪されお父さまと色々と話をした結果、施設への入居を選択されたことを伝えられました。
今回のカウンセリングはどのような施設がお母さまにとって一番良いのかという具体的な施設選びのご相談だったのです。
どのようにして介護認定を受ければよいか、グループホームやサ高住、介護付き有料老人ホームなど施設ごとの違いや各施設のメリットデメリットをご説明しお母さまの現状と照らし合わせてどれが一番良いかを検討できるようなアドバイスをしました。
息子さんはメモを取りながら聞いていましたがお父さまは最初からどの施設にしたいか決まっていたように思えます。
最終的にご家族さまは介護付き有料老人ホームを選択されました。賢明な選択だったと思います。
砧のご自宅から一番近い介護付き有料老人ホームに空きがあることがわかり入居の手続きを始められました。
※世田谷区砧での老人ホーム相談については別紙「【砧】ご家族さまがご自身で選んだサービス付き高齢者向け住宅が満足できなかった」にて相談実例をアップしております。
老人ホーム選びをご検討されている方はお目通しをお願いします。
介護専門のカウンセリングとして
今回の事例はカウンセリングというよりもご夫婦での介護が限界になってしまった場合どのようにすればよいのか、という点が主眼になっておりカウンセリングの側面はあまりありません。
しかし、こうしたご相談も介護カウンセリングではたくさんあります。
前にも書きましたが高齢化社会において介護は目の前にある問題になっています。しかし、介護システムは複雑で何がベストな選択なのか素人目にはわかりづらいです。
そして、介護する側の知識不足が結果的に介護をより難しいものにしてしまっていると思っています。
介護する側の心のケアがカウンセリングの主旨ではありますが、その様相は様々です。
今回のような事案でも当カウンセリングでは受けております。
お父さまに今回のケースを相談事例として紹介させていただいても良いかお尋ねしたところ、
「私のような立場の方は今後も増えてくると思います。そしてそういう方の悩む時間が少しでも短くなるのであればどうぞ役立ててください。」
と、ご了承をいただきましたので今回のケースを相談事例として取り扱いさせていただきました。
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