介護をめぐり突然、次女が二子玉川の家にやってきた
介護問題はしばしば遺産問題にまで発展することがあります。
今回は世田谷区二子玉川にお住いの70代長女さまからご依頼でした。
現在、97歳になるお母さまと同居生活をしており、お母さまは認知もなく健康状態は良好で暖かい日にはご自身で近くの公園までお散歩に出かけることもあります。
身体介助することもなく、リハビリパンツやパッドなどを用意しお手洗いや浴室に置いておく程度です。
お母さまには同居している長女さまのほかに次女と三女がおります。
次女さまは桜新町、三女さまは狛江とご相談者さまのご自宅から近いところに住まわれていました。
ある日、次女さまが自宅にやってきてお母さまを引き取らせてほしい、と言ってきました。
ご相談者さま夫妻とお母さまの同居は10年以上続いており、このタイミングでなぜ次女さまが引き取りを申し出てきたのか理解できませんでした。
そこで詳しく事情を聞いたそうです、すると、次女さまが、
「母があと10年も生きるとは思えないので生きてるうちに孝行したい」
とのことでした。
確かにそれは一理あるということでお母さまにその旨を話してみると、
「私はこのうちで10年も一緒なのだから今更、次女さまの家に行って初めからというのは疲れる」
と言われ同居の話を断ったそうです。
そのことを次女さまに伝えると、それなら1週間ほどウチであずかりたいのでそれで話をしてほしい、と言ってきたので話をしてみるとお母さまは、
「ちょっとした旅行気分ね。それなら別に構わないわよ」
と快諾。
そこで荷造りをして車で次女さまのご自宅まで送り届けました。
ところが4日ほどしてお母さまから電話がかかってきたのです。
次女さまがお母さまにしたこと
長女さまが電話を受けるとお母さまは、
「今から来てほしい、もう次女の家にいたくない、早く帰りたい」
と怒っていました。
状況がわからず次女さまに連絡をすると、
「別に何にもしていないけど帰りたいというなら帰ればいい」
とどこかそっけなかったそうです。
とりあえず、車でお母さまを迎えに行くと、すでに外で待っており一刻も早く帰りたい、の一点張り。
ウチについても興奮しており、とりあえず部屋でのんびりしてもらうことになったそうです。
その日の夕食でお母さまから話をされたことに長女さまは、やっぱり来たか、と思ったそうです。
次女さまはお母さまに持っている株券や土地建物を含めた財産に関する事でした。
次女さまは、お母さまが保有している財産について遺言書を作ってほしい、もうあるなら遺言書を見せてほしいと迫ってきたそうです。
お母さまもご自身の人生がそれほど長くないことを理解しており保有している財産についてある程度まとめてはいたのです。
ただ、それを次女さまがぶっきらぼうに遺言書を見せろとせまったことで気分を害されていたのです。
これを境に次女さまがお金に関する話を長女さまにするようになってきました。