財産問題によるストレス
カウンセリングをしていると解決が難しいと思われる問題がいくつかあります。
その一つがお金です。特に遺産に関する問題は解決までに時間がかかりますし解決後も関係が元に戻ることはあまりないのです。
ご相談者さまは次女さまがあまりにお金に固執することに嫌気がさしていました。お母さまも同様でした。
しかしそのような気持ちとは裏腹に次女さまは財産について毎日のように家に来るようになってしまったのです。
お母さまがまだ元気であるにもかかわらずお母さまが所有しているアクセサリーを勝手に持ち出してしまう事態にまで発展しました。
また、お母さまが保有している株券などの名義を自分にしてほしい、家の名義を変更しもらいたい、といった話にまで発展していました。
さらにお母さまの面倒を看たいからと、次女さまの自宅にお母さまを転居するように迫ってきていました。
長女さまとお母さまは以前のことがあるため次女さまの家にお母さまを転居させることに強く反発していました。
ある日、次女さまが旦那さまと長女さまの家にやってきて、財産の生前贈与をやりたいと言い出したのです。
長女さまはあまりにも次女さまがお金に固執するため疲れてしまい財産などいらないから二度と顔を見たくないというお気持ちになってしまいました。
解決方法の模索
お金に関して意図がある次女さまが介護を通して何をするか分からない怖さからストレスが溜まってしまった長女さまのカウンセリングは思っていることをすべてカウンセラーに吐き出していただくことからスタートしました。
長女さまは次女さまの行動や発言に恐怖を感じているだけではなく、今後お母さまを勝手に連れ出してしまうことを強く心配していました。
また、お母さまが亡くなられた後に遺産問題が発生することに頭を悩めていました。
話をするうちにだんだんと気づきが出てきたのですが、ストレスの原因がお金の場合、快方に向かわないことがあります。
カウンセリングでは長女さまの心配事を現在、未来に分けることからスタートしました。
現在の問題をリスト化
・次女が毎日家にくる
・次女がお金に固執していて怖い
・介護を名目にお母さまを連れ出そうとしている
・旦那さまを巻き込むなどどこまでも問題を大きくしようとしている
未来の問題をリスト化
・財産分与でもめてしまう
・1円でも多くお金をもぎ取ろうとする
・裁判沙汰にまで発展する可能性がある
次女さまが毎日、電話や訪問をすることが一番の問題であることから電話に出ない、ドアを開けないなどの対策を講じることを話されました。
しかし次女さまは激高するばかりで状況は好転しなかったのです。
長女さまは三女さまに相談をしました。三女さまも次女さまからお金に関する相談をされており、まだお母さまがご存命であるにもかかわらず財産の事ばかり言うことに嫌気がさしていたのです。
長女さまと三女さまの意見が共通であったことが幸いしました。
長女さまとご主人さま、三女さまとご主人さまの4人で家族会議をする時間が持てるようになったことで長女さまのストレスはだいぶ解消されてきました。
財産問題というのは人を鬼に変えてしまいます。本当に肉親なのかと疑いたくなるほど骨肉の争いに発展することがあります。
ご家族さまで話し合える機会を作れたことは幸いですが、すべてを話し合うことはできないのがお金の問題です。
遺産問題を含むお金の問題は相手が状況を変化させなければ決して解決しない点が厄介です。
長女さまは三女さまと話し合うことでストレスが緩和されてきましたが、三女さまにも話せないようなお話もあるため定期的にカウンセリングに来ております。
カウンセリングで話をすることで心のバランスを調整しながらこの問題に取り組まれています。
守秘義務について
相談事例はカウンセリングご利用者さまから同意をいただいた場合にのみ記事化しております。
当時者さまから記事の削除などのご連絡があった場合は記事の公開を取りやめる場合がございます。